外伝

久々に聴きたくなったのでCDを引っ張り出して聴いたら、うん、いい具合に色褪せてるなあ。古臭い。それが好きなんだ。ピッカピカに磨かれて、六本木ヒルズの周りをグルグル回るベンツもいいけれど、ガビガビに錆びて塗装が剥げていて、海の近くの草むらに放置されている廃車も格好良く見えるのだ。

今現在生きてる人たちにこんな曲を作れって言っても作れないような気がする。いや、昔の、ジョニー・サンダースと同じ時代に生きてた人たちにも作れないかもしれない。酒で酔っ払ってるのかクスリでフラフラになってるのか分からないが、とにかくグニャングニャンのギターでときに正統派なロックを、ときにシューナイザーのような飛ぶ音を弾いている。ジョニー・サンダースの音は誰にも出せない。